経営計画とは?
経営計画とは何でしょうか?経営計画の構成要素を中心に記載いたします。
ここでは、経営計画=中期経営計画のことと定義付けます。
中期経営計画の主な構成要素は、経営理念(ミッション、ビジョン、バリュー)、経営環境(外部環境)、経営資源(自社の強み・弱み)、経営戦略(自社の資源配分)、計画(経営課題・行動計画、数値計画)です。
各構成要素の内容は、以下のとおりです。
- 経営理念(ミッション、ビジョン、バリュー)
経営理念は、ミッション、ビジョン、バリューから構成されます。
・ミッション
ミッションは、企業の使命・目的、つまり企業の存在価値そのものです。なんのために仕事をするのか?という「目的」が該当します。
・ビジョン
ビジョンは、中期的(3~5年)な企業の目標、理想の姿です。何を目標として仕事をするのか?であり、定量的な目標で表されることも多く、組織を強力に方向づける要素ともなります。
イメージですが、長期のゴールがミッションであり、中期のゴール、つまり、ミッションのための途中経過がビジョンとなります。
・バリュー
バリューは、企業の価値観、行動指針です。目的(ミッション)を達成するため、その途中経過である目標(ビジョン)に到達するため、どんな基準で行動するのか?というものであり、経営に関する指針やメンバーに関する行動指針が含まれることがあります。
- 経営環境
企業が活動を営む上では、必ずと言っていいほど経営環境(政治・経済・社会・技術といったマクロ環境、自社の属する業界環境・市場規模、競合他社)に影響されます。競争を優位に進めるためにも、経営環境を分析(した上で行動)することが必要となります。
- 経営資源
厳しい経営環境の中で戦っていくためには、自分たちは何ができて何ができないのか、強みや弱みを分析することが必要となります。
製商品・サービス、組織、業務システム、財務等に区分し、自社内の経営資源がどのようなものかを分析します。
- 経営戦略
俗に言うヒト・モノ・カネは、有限です。あるべき姿を実現するために、自社内の有限なヒト・モノ・カネを効果的に配分していく必要があります。そのために、経営環境の分析で導き出された“機会”/“脅威”、経営資源の分析で導きだされた“強み”/“弱み”(SWOT分析といいます)を活かして、経営戦略に沿って、自社の経営資源を配置していきます。
―自社の強みをどのように活かすのか?
―自社の弱みをどのように補うのか?
―市場のどこに自社のチャンスはあるのか?
―市場の脅威に対し、どのように回避するのか?
上記を基本事項として、組織・人財、事業、財務の項目を中心として、成長戦略(市場や製商品の浸透・開拓)、競争戦略(競争相手に対する差別化や集中)のような形で内容や具体的な目標を決定していきます。
- 計画
計画は、経営課題・行動計画、数値計画から構成されます。
進むべき方向をビジョンで決定、自社をとりまく経営環境、経営資源を分析、経営戦略にて内容や目標を決定した後、以下の項目についても決定していく必要があります。
・経営課題・行動計画
経営戦略で目標を決定した後、目標達成のためにどんな課題をクリアしていくべきか、そのためにはどんな行動をとっていくべきか、誰がその行動をとるのか、どの程度の期間でクリアしていくべきか等の項目を決定することが必要となります。具体的には以下の項目を例として決定していく必要があります。
―経営課題
―担当者
―行動
―期限
―目標回数・量、達成水準(課題解決の状態)等
・数値計画
経営戦略にて、事業、財務、人材等の目標を決定した後、従業員との間の明確なゴール共有化のため、また、目標をより細分化し達成可能なものにするため、以下の項目を例として決定していく必要があります。
―損益計算書、貸借対照表、キャッシュ・フロー計算書、資金計画
―製商品、得意先(その他エリア、店舗、従業員)別売上・粗利計画
―購買・生産計画
―従業員数、人件費計画
―設備投資計画等
上記は、別途記載するPDCA力とも関連しますが、確認や修正の場を多く設け、目標達成により近づくために、年度予算・月次予算を詳細設定していく必要があります。